フィンランドのものづくりへの関心が、いま急速に高まっています。その理由を探るため、YleがKasperiを訪れました

今年度のSchool of Leathercraftの募集は、過去最多の応募をもって締め切りました。

昨年のほぼ3倍にあたるご応募をいただき、力のある候補者も数多く集まりました。私たちにとって、これは心強い知らせでした。フィンランドでは、ものづくりや素材、手を動かす仕事への関心が今もしっかり息づいています。

仕事の中身も、その質も、目に見える職能を身につけたいと考える人がいます。技術は実際に手を動かすことで磨かれ、品質は言葉ではなく、工程の一つひとつで形にしていくもの。そんなものづくりを学びたいという声です。

フィンランドの公共放送Yleが、研修の現場を知るためKasperiのレザーバックパック工房を訪れました

フィンランドの公共放送局Yleがこのたび、Kasperiの工房を取材しました。テーマは、私たちのレザークラフト研修プログラムと、なぜハメーンリンナの小さな革工房が自らつくり手を育てることにしたのか、という点です。

記事が投げかけたのは、この取り組みの核心にある問いでもあります。フィンランドで質の高いクラフト製品をつくり続けるには、その技術を担う人をどこで見つけるのか。そして、その水準の仕事を支える文化をどう育てていくのか。

小さな会社にとって、新しいつくり手を育てることは大きな投資です。それでも私たちには必要なことでした。十分に訓練を受けた人材が外にいないなら、技術は自分たちで築いていくしかありません。土台から積み上げていくからこそ、仕事の基準や習慣、ものづくりの文化そのものも、自分たちの手で育てていけます。

この研修は現場の必要から生まれ、試験導入も確かな成果を上げました

Kasperiは、フィンランド・ハメーンリンナの自社工房でバックパックやバッグを製作しています。製品の多くはフィンランド国外で販売されており、とくに北米、ヨーロッパ、日本のお客様に多くお選びいただいています。

生産を自社で一貫して行うことは、私たちにとって大切な選択です。素材、設計、製作、品質管理、お客様との接点、修理までが近い距離にあることで、私たちは日々学び続け、約束にきちんと応える製品をつくり続けることができます。

同時に、自社生産には確かな技術を持つつくり手が欠かせません。自前の研修プログラムを始める前は、私たちの仕事に最も近い教育課程はフィンランド国内では靴づくりの教育でした。北欧には靴づくりを学べる学校が5校しかなく、そのうち1校がハメーンリンナにあります。私たちがこの地に工房を構え、Tavastia職業専門学校との連携を始めたのも、もともとはそれが理由でした。

最初のSchool of Leathercraftは昨秋に始まり、3名の受講生が4か月の課程に参加しました。週の一部はTavastiaで学び、残りはPerttula ManorにあるKasperiの工房で実地研修を行いました。

第1期の受講生のうち1名は、プログラム修了後にKasperiに加わりました。残る2名も、革仕事の学びをそのまま続けています。私たちにとって、これはこの仕組みが機能することの確かな証しでした。適性とよい指導があれば、新しいつくり手はこの仕事の世界にしっかり入っていけます。

ハメーンリンナに、確かな質を備えたクラフトの拠点を育てていくために

今年の応募者数は、手仕事のものづくりが決して失われていないことを静かに示してくれました。むしろ今、着実に広がり、確かな可能性を持っています。

ものづくりは職業になり得ます。現代の事業の中核にもなり、輸出につながる製品を生み、地域経済を支える力にもなります。私たちの目標は、ひとつの革工房を育てることだけではありません。ヘメーンリンナに、高い品質を備えたブランドやつくり手が集まる土壌を築くことです。

手仕事、デザイン、素材への理解、教育、そして起業が互いに支え合う集積。革職人、テキスタイルの専門家、木工職人、金工職人、靴職人、修理の担い手、デザイナー、素材の供給者たちが並んで育っていける場所です。

これは単に昔へ立ち返る話ではなく、これからを形にしていく取り組みです。フィンランド、そしてヨーロッパには、手仕事、デザイン、素材に関する深い蓄積があります。いま必要なのは、その基盤を次につなぐための新しい仕組みです。教育、企業、仕事、海外の顧客、そして技術を育て受け継いでいける場所が求められています。

今年の募集は終了し、これから応募内容を丁寧に見ていきます。第1期の研修プログラムでは、この仕組みが実際に機能し得ることが確かめられました。そして今年の応募者数は、関心も可能性も確かなものであることを示しています。

本物の手仕事は、自然に生まれるものではありません。つくり手、教える人、企業、顧客、そして技術を受け継げる場があってこそ育ちます。

私たちは、そんな場所をヘメーンリンナにつくりたいと考えています。